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山下 卓哉; 沢田 憲良*
JAEA-Research 2019-010, 227 Pages, 2020/03
原子力機構は、国や自治体が進める除染活動を技術面で支援するために、除染の効果を予測するシミュレーションソフト「除染活動支援システムRESET」を開発した。また、放出された放射性セシウムに起因した空間線量率の長期的な変化傾向を予測することを目的に、放射性セシウムの物理減衰に加え、土地利用形態の違いや避難指示区域の違いによる減衰効果への影響を考慮した「空間線量率減衰の2成分モデル」を開発した。原子力機構は、これらのツールを用いて除染シミュレーションと将来の空間線量率の予測解析を行い、復興を目指す国や自治体への情報提供を行っている。本報告書では、除染後の空間線量率を予測するために開発した一連の手法を紹介するとともに、環境省が実施した「帰還困難区域における除染モデル実証事業」及び「除染モデル実証事業後の空間線量の推移に関する調査結果」で得られた実測データを用いて実施した予測手法の検証結果を示す。また、帰還困難区域全域及び特定復興再生拠点区域を対象に実施した除染シミュレーションと除染後の空間線量率の将来予測の結果を示す。
三上 智; 松田 規宏; 安藤 真樹; 木名瀬 栄; 北野 光昭; 川瀬 啓一; 松元 愼一郎; 山本 英明; 斎藤 公明
Radioisotopes, 64(9), p.589 - 607, 2015/09
福島周辺における空間線量率や放射性核種沈着量の地域的分布及び経時変化の特徴について、様々な手法による大規模環境調査の解析結果に基づいて紹介する。また、除染モデル実証事業後の継続的な環境測定結果を基に、除染効果の継続性に関する議論を行う。さらに、土地利用状況ごとの環境半減期の解析結果、及びこれをベースにした空間線量率の将来予測の例について紹介する。
富居 博行; 清木 義弘
デコミッショニング技報, 0(15), p.24 - 34, 1996/12
解体実地試験の放射線管理では、作業者の放射線防護とともに、将来の原子炉解体に必要となるデータを取得するため、日常モニタリングと切断で発生するエアロゾルの調査を目的とした特殊モニタリングを行った。本報告は、解体実地試験において集団線量当量が95%を占めた原子炉格納容器内解体作業における放射線管理データから、解体工法と集団線量との関連を解析した結果及び、切断で発生したエアロゾルの粒度分布や飛散率等の評価結果を示したものである。加えて、これらの評価・解析結果から、放射線管理面から見た原子炉解体における知見を述べる。
池沢 芳夫
最近の研究施設, 0, p.304 - 311, 1995/00
研究用原子力施設において発生する空気汚染の性状は原子炉、核燃料、ラジオアイソトープ取扱施設の種類によって異なるので、日常の空気管理(汚染防止、クリーン化、放射線モニタリング)はその性状を十分に把握したうえで行う必要がある。本報では、主要な研究用原子力施設において、日常の放射線作業中に発生する空気汚染の性状、モニタリング方法、空気汚染防止対策、環境への放射性物質の放出低減対策の考え方と維持管理などについて概説する。
重田 幸博
保健物理, 29, p.460 - 462, 1994/00
近年、「あいまいさ」を取扱うファジィ理論は、様々な分野に適用され、実用化が計られている。今回、放射線管理へのファジィ理論の適用例として、放射線作業事前評価システムを開発した。本システムは、制御分野で実用化されている代表的ファジィ推論法により、放射線作業における被ばく、空気汚染、表面汚染の事前評価を行うものである。本報告では、システムの概要を述べるとともに実作業への適用例を紹介し、システムの有効性及び問題点について考察を行う。
池沢 芳夫
クリーンテクノロジー, 3(4), p.41 - 45, 1993/04
原子力施設において発生する空気汚染の性状は、原子炉、核燃料取扱施設、RI取扱施設等施設の種類によって異なるので、日常の空気管理はその性状を十分に把握したうえで行う必要がある。本報では、主要な原子力施設において、日常の放射線作業中に発生する空気汚染の性状、そのモニタリング方法、空気汚染防止対策、環境への放射性物質の放出低減対策の考え方と維持管理の方法などについて概説した。
藪田 肇; 重田 幸博; 澤畠 啓; 長谷川 圭佑
Proc. of Asia Congress on Radiation Protection, p.216 - 219, 1993/00
現在原研において、プルトニウム溶液燃料を用いた臨界実験装置、TRU廃棄物処理処分試験設備等が設置された大規模多目的施設(NUCEF)が建設中である。本施設では、潜在的な空気汚染の可能性が比較的大きいと考えられるため、空気中放射性ダストの管理を有効かつ効率的に行うことが重要となる。このため、データ記憶式フィルタホルダ、フィルタホルダ自動交換型ダストモニタ、フィルタホルダ自動測定装置等の機器を新たに開発し、既設のダストモニタリングシステムを改良した。本発表では、これらの開発機器を中心に、NUCEFのダストモニタリングシステムの概要を紹介する。
佐藤 信行; 早坂 寿夫; 小林 誠; 仲澤 隆; 横須賀 美幸; 長谷川 圭佑; 池沢 芳夫
Proc. of the Int. Conf. on Radiation Effects and Protection, p.440 - 445, 1992/00
材料試験施設では、PWR等の使用済み燃料の照射後試験がセル内で実施されている。試験を確実に遂行するために、定期的にセル内の各種照射後試験装置及び設備の保守点検作業が行われる。保守点検作業者の被ばくを低減するために、セル内除染作業が、前もって実施される。各セルの汚染レベル、核種組成は、照射後試験及び使用済み燃料の種類により異なるため、線量当量率の分布を把握するとともに表面汚染密度から空気中放射性物質濃度を推定し、これらのデータと作業内容を基に適切な防護方法について事前検討を行い、除染作業者の被ばく低減化を図っている。本発表では、1991年に同施設で行われたセル除染作業時の作業者の被ばく防護について、防護措置、被ばく状況等を報告する。
中村 力; 西薗 竜也; 小野寺 淳一; 富居 博行; 池沢 芳夫
Proc. of the Int. Conf. on Radiation Effects and Protection, p.434 - 439, 1992/00
動力試験炉(JPDR)では、全ての装置、建物を解体撤去することを目的として1986年に解体作業がスタートした。作業者の外部被ばく低減のために、高レベルに放射化、汚染された炉内構造物、原子炉圧力容器は原研で新しく開発した遠隔操作による水中解体工法を使用して解体撤去された。また、放射性エアロゾルの拡大防止のために、エアカーテン装置、汚染防止囲い等が設置された。本発表では1986年12月から1991年12月までに実施された主な解体撤去作業における作業者の被ばく防護装置、被ばく状況、および放射線防護上得られた知見、データ等について報告する。
小野寺 淳一; 中村 力; 藪田 肇; 横須賀 美幸; 西薗 竜也; 池沢 芳夫
Proc. of the Int. Radiation Protection Association,Vol. 1, p.1412 - 1414, 1992/00
JPDRでは、1986年から原子炉解体実地試験が行われている。1991年3月までに、炉内構造物、原子炉圧力容器及び冷却系統の大半の解体撤去が終了した。解体開始からの累積の集団線量は、0.28人・nSvであり、炉内構造物、原子炉圧力容器の撤去に従事した作業者の集団線量はそれぞれ、0.073人・nSv、0.11人・nSvであり、その線量分布は混成対数正規分布を示した。ディスクカッター工法による再循環配管切断は、ガス切断と比較して集団線量を著しく低減することができた。空気汚染発生の可能性がある作業では、汚染防止囲い、エアカーテン等を設置し、空気汚染の拡大を防止した。汚染配管の切断作業では熱的切断工法より、機械的切断工法の方が放射性エアロゾルの発生量が多かった。
池沢 芳夫
日本原子力学会誌, 33(5), p.439 - 440, 1991/05
原子力利用が開始されて約30年経過し、すでに施設の老朽化が進み、近い将来には本格的なデコミッショニングの時期が到来するものと予想される。そのためデコミッショニング技術は早急に確立しなければならない重要な課題である。本報は、解体技術、除染技術、廃棄物対策技術などの一連のデコミッショニング技術の中で、放射線管理の現状と課題を述べたものである。
松井 浩; 池沢 芳夫
フィルムバッジニュース, 0(161), p.7 - 10, 1990/05
ICRP勧告(Publ.26)を取り入れて改訂された新法令が施行されて以来、放射線作業現場では、放射線管理の面で幾つかの変更または強化策が取られてきた。その問題について順を追って記述する。作業場の管理、排出放射性物質の管理、管理区域、作業者の区分、等に係る問題についての現場における対応と問題点を述べる。
守 勝治; 小松 茂
デコミッショニング技報, (2), p.50 - 64, 1990/00
廃棄物処理場液体廃棄物処理施設で使用していた中レベル廃液貯槽3基が昭和56年7月、低レベル蒸発処理装置の主要塔槽類6基が昭和58年7月に撤去された。これらの撤去機器は、ステンレス鋼製大型廃棄物の解体減容効果について知見を得るため、解体方法、解体工具等を調査後、試験的に酸素アーク切断後、砥石切断法およびプラズマアーク切断法を組み合わせて切断解体した。解体による機器の減容は、容器に入れて保管した場合と比べて中レベル廃液貯槽1/15、低レベル蒸発処理装置1/12となった。
木内 伸幸
保健物理, 25, p.82 - 84, 1990/00
セル内除染作業においては、内部被曝、身体汚染防護として、作業者は、各種の呼吸用保護具、防護服を着用している。しかし、これらの着用による作業者の作業負担は著しいものと予測される。このため、その作業負担を定量的に把握することは、放射線作業における安全性の向上につながると考える。そこで、除染作業における作業者の発汗量に着目し測定した。その結果、以下のことが分かった。(1)除染作業における単位作業時間(1時間)当りの作業者の発汗量は、最大で2l、平均で1lあった。(2)エアラインスーツを着用した除染作業と全面マスクとビニールアノラークを着用した除染作業における作業負担は、発汗量からは、ほぼ等価であった。(3)測定結果と発汗量の適用限界から、各作業者のセル内除染作業時間は、最大2時間が目安になるだろう。
池沢 芳夫
保健物理, 25(3), p.299 - 300, 1990/00
本国際シンポジウムは、平成元年11月6日から11月10日まで、オーストラリアのウィーンにおいて、原子力事故または放射線緊急事態における復旧活動の最新情報の交換及びレビューを目的として開催された。講演は放射性物質の回収活動、敷地内復旧活動、敷地外復旧活動、南ウラルの汚染事故、及び事故からの教訓の5つのセッションに分類され、約50件であった。本投稿では、講演内容等の概要及び筆者の所感について述べる。
池沢 芳夫; 松井 浩
原子力工業, 32(9), p.70 - 74, 1986/09
原子炉解体における放射線管理の特殊性を簡単に述べ、それを考慮して、原研で進めてきた放射線管理技術の現状について紹介した。その技術開発項目は,高放射線量率測定装置、搬出物品自動汚染検査装置、コンクリート廃材等区分管理用測定装置、定型廃棄物容器表面汚染・線量率自動測定装置、極低レベル廃棄物の埋没処分による環境影響評価である。
池沢 芳夫
保健物理, 20, p.87 - 90, 1985/00
最近注目されてきた原子炉解体において、高放射化または高汚染物の切断,爆破,除染等の解体撤去作業に対応した放射線管理技術および方式について検討しておく必要がある。本報では、原子炉解体撤去作業において放射線管理上重要と考えられる項目として、(1)被曝管理,(2)管理区域の出入管理,(3)作業環境モニタリング,(4)残存施設等のモニタリングを取り挙げ、その問題点を検討するとともに、原研JPDRにおいて進めている放射線管理技術開発の現状についてもふれた。
松下 紘三; 小林 誠; 宍戸 宣仁; 山本 峯澄
保健物理, 19(1), p.321 - 327, 1984/00
フード開口面風速が0.5m/s以下の場合のフードから室内への漏洩の程度及びフード前での作業者の行動、室への給気のフードからの漏洩に及ぼす影響をNaClエアロゾルを用いて調べた。0.4m/s以下の風速においては漏洩が認められた。風速の減少とともに作業者位置に漏洩するエアロゾルの濃度は増加した。一方0.5m/sにおいてはいずれの状態においても漏洩は検出されなかった。この時の濃度は検出限界濃度である単位発生率(g/min)あたり810g/cm以下であった。この値はフード内飛散量の1/10が室内に漏洩するして評価されていた室内濃度の1/4000であった。
池沢 芳夫; 岡本 利夫; 矢部 明
Proc.of 5th Int.Radiation Protection Association Congress, p.217 - 220, 1980/00
原研の種々の原子力施設において、放射性空気汚染に起因する内部被曝線量を評価し、その防止対策を立てることは極めて重要なことである。原研におけるホットセル,グローブボックス,Moを取扱うセル等の空気汚染モニタリングの経験から得られた結果を報告する。その結果の主なものは、(1)照射燃料切断時におけるSb,Cs,Ceの飛散率,(2)セル内の除染作業時に発生する放射性粒子の粒度分布,(3)床面に沈着したプルトニウムの再飛散係数,(4)試作したチャコールフィルタペーパーの有機ヨウ素に対する捕集効率,である。
越智 康太郎; 佐々木 美雪; 石田 睦司*; 佐藤 友彦*; 濱本 昌一郎*; 西村 拓*; 眞田 幸尚
no journal, ,
2011年の福島第一原子力発電所(Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, FDNPP)事故により、大量の放射性セシウムが大気中に放出された。文部科学省は、事故による環境への影響を評価するために、FDNPP周辺で空間線量率の測定を行ってきた。しかし、除染が行われ、事故から6年が経過したにも関わらず、依然としてFDNPP近傍のエリアでは、空間線量率が高いままである。この結果は、効率的な除染方法の提案が喫緊の課題であることを示している。土壌中放射性セシウムの深度分布に関する情報は、効率的な除染のために重要である。多くの場合、土壌中放射性セシウムの深度分布を把握するのは、土壌試料の採取及び測定という観点から煩雑である。放射線監視技術開発グループでは、広範囲の汚染されたエリアの空間線量率分布を迅速にモニタリングする手法として、無人ヘリコプターやマルチコプター(ドローン)などの無人機を用いた放射線計測技術を開発してきた。本発表では、土壌中放射性セシウムの深度分布を、無人放射線測定により得られた 線スペクトル上の特徴から推定する方法について報告する。